真夏が背負う悲しい物語

みなさんお久し振りです。最近金欠で1日1食がデフォになりつつあるゆきです。

 

今回はダイヤとルビィのソロ曲である、『真夏は誰のモノ?』について考察していこうと思います。

 

何故書こうと思ったかというと、2ndのBlu-rayを見ていて小宮さんと降旗さんが情熱的な愛の歌で近づいたりしてるのを見たときに、よく考えたらダイヤとルビィって姉妹だよな?姉妹の割にあまりにも情熱的なラブソングすぎないか?(良いぞ、もっとやれ)と思ったからです。

 

わざわざ姉妹で歌うって分かっててこういう歌詞を書いたって言うのは何か意図があるのではないでしょうか?

 

そこで考えたのが、

 

恋というものはなんなのか。それはドキドキしたり、気付いたらいつも考えていたり、早く会いたいと思ったりするようなものだと思います。これって私たちがμ'sやAqoursに抱いている思いと同じだと思いませんか?

 

つまりこの曲での恋というのは、ダイヤとルビィのスクールアイドルへの強い想いを恋という甘い言葉で隠しているのかもしれません。

 

ということを踏まえて歌詞の考察に移ろうと思います。

 

 

🌑旧家に産まれた悲しい姉妹の物語

 

ときめき以上のリズム    今宵 知りたくて
いつもより大胆な言葉を    つぶやいた

 

スクールアイドルのライブを見てときめいてるだけだったけど、見てるだけじゃ無くて自分もスクールアイドルをやりたいと呟いたルビィちゃん。

 

普段なら恥ずかしがり屋だし、家が厳しくてそんなこと言えないけど、思わず想いが口から溢れてしまうぐらいスクールアイドルへの想いが強かったのでしょう。

 

 

自分の気持ちなのに    全然分からなく 

なっちゃいたいな

理性から指令が

届かない

コントロール不可能

 

ダイヤも当然、μ'sを含むスクールアイドルのことが大好きで、でも黒澤家としての想いもルビィより遥かに強いです。

 

だからこそスクールアイドルをやりたいという気持ちと黒澤家の次期跡継ぎとしての気持ちの間で板挟みになってしまっているのだと思います。

 

理性ではスクールアイドルをやるべきでは無いと言われているのに、スクールアイドルへの想いが抑えきれなくなってしまったダイヤはちゃんとまだ高校生なんだなって少し安心します。

 

 

そんな恋を

したいのって声が

届いてしまった?

恥ずかしいって思うけど

 

ダイヤはルビィの漏れ出た言葉を聞き、同じ気持ちだったことが分かります。そして、ルビィに対しても恥ずかしいけれど同じ気持ちなのだと伝えたのです。

 

 

赤い太陽のドレスで踊る
わたしのこと見つめる瞳

 

ちょっと飛んでサビに入ります。

 

赤い太陽のドレスというのは、赤のスポットライトに照らされた衣装のことだと思います。スポットライトを太陽に見立てているのでしょう。

 

そして真っ赤に照らされながら踊っている私(私たち)を見つめているファンたちの瞳。あんな情熱的な躍りなら目を奪われて見つめてしまうのもよく分かります。

 

 

 

目をそらしたい でもそらせない
真夏は誰のモノ?

 

でもこうやって情熱的に踊っているけれど、黒澤家という現実から目をそらしているだけでしかありません。旧家の網元ともなれば、西木野家と同じくアイドルを低俗と考え、娘がそれをすることを好まないかもしれません。(一期の最終話で黒澤母がライブ行ってたけど)

 

そしてタイトルにもなってるこの真夏。果たしてこの真夏は何を表しているのでしょうか。私はダイヤとルビィのことを指しているのだと思います。

 

スポットライトという赤い太陽に照らされながら情熱的に踊るダイヤとルビィ。さらにインフェルノフェニックスという燃えるような赤を想像させる衣装テーマは、2人を真夏と表現するのに相応しいと言えるでしょう。

 

つまり真夏は誰のモノ?というのは、ダイヤとルビィは誰のものなのか。言い換えると、ダイヤとルビィの人生は誰によって決められるのかという意味になります。

 

黒澤家の人間として決められたレールの上を生きるか、自分のやりたいことに素直になって、自分で選んだ道を生きていくのか。これはそういう2人のこれからの将来についての曲でもあります。

 

 

あなたとわたしのモノにしたい 
だってね ココロが止まれない季節に
初めて胸のトビラが開いてしまいそうよ
You knock knock my heart!!

 

今まで親に決められたレールの上を生きてきた2人(主にダイヤ)が初めて自分の意思でやりたいことをしてしまったことで、自分の人生を自分で決めたいと思うようになってしまった。

 

しかし恐らくそれは許されないでしょう。ルビィはもしかしたら、があるかも知れませんが、ダイヤは確実に自由意思なんてものは無いでしょうね……。

 

 

ためらいがちのステップが    熱く変わる頃
いつもならあり得ない 衝動に戸惑うの

 

これはダイヤがスクールアイドルを始めたときのことでしょう。

 

最初は自分で決めたことをする、スクールアイドルという低俗と言われることをする、ということに躊躇っていたが自分の好きには抗えません。

 

 

花火が照らす横顔 きっと
この日がくると 予感してた私

もう戻れない 戻りたくない

 

ですがそんな日は長く続きません。当然の如く反対され、すぐにやめさせられるでしょう。でも一度自分のやりたいことをする、ということを知ってしまった2人がそう簡単に諦めることが出来ないだろうというのは容易に想像が出来ます。

 

 

甘く切ない香りで
不意に泣きたくなる気がしたの

 

甘く切ない香りというのはダイヤとルビィお互いの匂いだと思います。つまり、抱き合いながら涙を堪えているということですね……。想像するだけでしんどい

 

 

近づいたり

離れたりの

 

スクールアイドルを通して姉妹の絆もより一層深まり、同じ目的に向かって努力することで心の距離がさらに近づいたのに、スクールアイドルをやめさせられて心が引き離されてしまった黒澤姉妹。

 

ここにいてよ

ここにいてよ

 

ずっと一緒にいたかった。ずっと一緒にスクールアイドルをしたかったという悲痛な叫びが聴こえてくるような気がします。

 

 

Ah 情熱的に抱きしめて!

 

そして最後のこのフレーズ。

 

今まで踊ったりステップを踏んだりと、外に向けて表現していたものが、抱き締めて内に籠ってしまったということは、やりたいことを全て心の中に抑え込んで決められたレールの上を歩くことを決めたということでもあります。

 

旧家に産まれてしまったが故にやりたいことを抑制され、大人に求められるがままに生きてきた2人の悲しい歌、それがこの曲に込められたもうひとつの意味だと思います。

 

 

🌑最後に

 

まず最初にここまで読んでいただいてありがとうございます。

 

この曲は最初に試聴動画で聴いたときに一番デュオトリオで好きな曲でした。情熱的な歌詞に南国を感じさせる曲調と、歌って聞いて楽しいアップテンポと、寧ろ好きにならない理由が無いと言ってもいいレベルです。

 

今は『夏の終わりの雨音が』と1位争いを自分の中でしています。が、やはり近づいたりするのはオタクを完全に殺しに掛かっていて好きすぎるのでやはり今でも1位はこの曲かもしれません。

 

そんな『真夏は誰のモノ?』という曲ですが、決められたレールの上を歩くことが幸せなのか不幸なのかは分かりません。

 

ただ1つだけ言えることは、ダイヤとルビィにはどんな道を進もうが幸せになって欲しいということです。(他のキャラにも言えることですが)